ベテラン看護師への通過儀礼

命を助ける仕事をしたいという思いで看護師になった人は、新人からベテランになるために必ず通る道があります。
その通過儀礼とも呼べるのが、看護師になって一定の年数が経った段階で任されるターミナルケアです。
ターミナルケアは終末期医療の一環であり、寿命が尽きかけている患者や、治る見込みがない患者が安心して過ごせるように看護を行います。

ターミナルケアは、一般的に身体的ケアと精神的なケアと、社会的ケアに分類できますが、この中で最も看護師が担うべきものは、身体的ケアと精神的ケアです。
身体的ケアでは、身体が思うように動かせなくなった患者の介助をするほか、痛みを緩和したり、褥瘡ケアを行ったりして、苦痛を和らげます。
ただし、積極的に治療を行うわけではないことを理解しておきましょう。

一方、精神的ケアでは、迫る死についての不安感を和らげたり、家族への思いをヒアリングしたりして、患者の心に寄り添います。
また、患者だけでなく、ときには家族とも接し、それぞれの心の負担を軽減しなければなりません。
辛い話を聞かされることもあるかもしれませんが、きちんと聞いてあげることが大切です。

そして、万が一、患者の容体が急変したときには、いち早く駆けつけて、処置をするとともに最期を看取ります。
患者が亡くなるシーンは、何度体験しても辛いことですが、看護師にとっては避けては通れない道なので、ターミナルケアの現場に配属されたら、ベテランになるための試練だということを踏まえて、誠心誠意患者に尽くしてください。
ターミナルケアについては、日本のターミナルケアを考えるというサイトで詳しく取り上げられているので、併せて読んでおくと心の準備もできるでしょう。